松山アーバンデザインセンター

プロジェクト

PROJECT

夏のまちづくりWS 2017ワークショップ

2017.11.04 UP

「移動する建築」都市設計コンペ 開催結果

【開催概要】

道後温泉別館・飛鳥乃湯泉と花園町通りに新しくできる広場や街路の賑わい空間づくりと、今後のまちづくりの対話促進をはかるため、「移動する建築」を計画・設計、および、製作・マネジメントを指導・実践する若手の建築家・都市デザイナー・土木設計者を募集する都市設計コンペを開催しました。
「移動する建築」は、幅広い世代が心地よく集い、賑わいを生み出し、地域の新たな魅力を引き出すような、動くまちづくり拠点です。
入賞者2組は、デザイナーの南雲勝志氏の監修の下、道後温泉別館・飛鳥乃湯泉中庭と花園町通り歩道に設置する2つの「移動する建築」をデザインしていきます。各チームは、地元ワークショップに参加して地域の意見を聞いた上で、最終的なデザインを決定し、実施製作します。

募集概要についてはこちら

 

【スケジュール】

応募開始(2017年8月中旬)
応募締切(10月1日)
一次審査(10月7日)
二次審査(10月29日)

 

【審査員】

○審査員長
羽藤英二(都市工学者|東京大学)
○特別審査員
内藤廣(建築家)
○審査員
南雲勝志(デザイナー)
五十嵐太郎(建築評論家|東北大学)
松山市長
寺尾保仁((公社)愛媛県建築士会会長)
新山富左衛門(道後温泉コンソーシアム代表者)
泉谷昇(花園まちづくりプロジェクト協議会理事長)
松波雄大(道後オンセナート2014・道後アート2015/2016地元統括責任者)

 

【一次審査の結果】

全国から21作品の応募があり、書類審査の結果、6作品が一次審査を通過しました。

街の中の雲(バンバタカユキ、田中良典)
まちを包み、つなぎ、移り動く帯(1-1 Architects (神谷勇机、石川翔一、桐谷万奈人))
「まち」を旅する4つの屋台」(キム・テボン)
タンカンバン・マルシェ(津賀洋輔、勝亦優祐、丸山裕貴)
MachiTube(大久保仁志、赤松慶隆、平川智佳子)
どこでも茶室(澤田匡亮、池田達海、栗栖諒大、藤岡雄星、田窪一真、中東大成、吉村静流、大林優斗)

 

【二次審査の結果】

10月29日(日)に坂の上の雲ミュージアムで公開二次審査が行われ、入賞作品が決まりました。

最優秀賞(飛鳥乃湯泉)|内藤賞
作品名:街の中の雲
メンバー:バンバタカユキ, 田中良典

内藤賞について、内藤廣特別審査員より講評コメントをいただきました。

もともとの道後温泉別館の戦略は、ともかく話題性を創り出すことにあった。だから、「飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」を標榜して、なりふり構わずあらゆる飛鳥のイコンを盛り込んで、それを地元の職人技を駆使して披露する場にした。大切なのは盛り上がりと話題性だ。そう考えると、今度はこれくらいぶっ飛んだものが出てきても不自然ではない。近未来なのか過去なのか、飛鳥乃湯泉を背景に、なにやら正体不明のフワフワと異様なものが空中を漂う。それもありだ。これが出来れば、メディアはこぞって話題にするだろう。

最優秀賞(花園町通り)
作品名:「まち」を旅する4つの屋台
メンバー:キム・テボン

市民賞
作品名:どこでも茶室
メンバー:澤田匡亮, 池田達海, 栗栖諒大, 藤岡雄星, 田窪一真, 中東大成, 吉村静流, 大林優斗

 

【講評】

羽藤英二
みなさん、お疲れさまでした。
まず最初に言いたいのは、ここにおられる方々は一次審査を激戦の中で通過した方々だということです。非常にいろんな案が全国各地から出てきた中で、厳しい審査を経て選ばれた方々なので、そこはぜひ誇っていただきたいと私自身は思っています。
「移動する建築」という名前を掲げた時にパッと浮かんだのは、南雲さんと五十嵐さんで、この2人、私からすれば対極にいる人なんですね。五十嵐さんはみなさんご存知のように、本当にいろんな知識と論説、歴史を組み立てながら、建築とはどのような価値を持っているのか、それから建築の美しさとは何かを追及されている方です。そういう人が、どういうものを評価するのか、非常に楽しみにしていました。南雲さんはそこからひょっとしたら、カタチよりももっと大事なものがあるんじゃないかということで、被災地や風景が失われつつある地方での活動を積極的にやられている方です。
この2人と一緒に、これからどういう建築が必要なのかということをこの松山の地で考えてみたい。それを地元の方々と一緒に審査する。そして、東京に限らず、地元の方々にも出していただいて、一緒にぶつけ合うことで、これからどんなまちづくりが必要なのかということが見えてくるのではないかと期待してこのコンペをやりました。期待を超える作品がたくさん出てきて、私自身も非常に感銘を受けました。
「タンカンバン・マルシェ」は私自身非常に推すところがあったんです。雲南省の長卓ってあるじゃないですか。長いテーブルで乾杯するやつ。僕話を聞いた時、あの風景がパッと浮かんで。花園町通りであれやったらものすごく面白いんじゃないか。そんな感じがして、すごく発展性を感じました。
また、「MachiTube」は地域で若手が集まってワイワイ議論している姿が思い浮かんで、一緒にやりたいな、と思いました。今後ワークショップをやっていくので、ぜひ一緒にものを作っていきましょう。
それから、「まちを包み、つなぎ、移り動く帯」ですが、私としてはアートとしての表現が期待が持てると感じました。我々の地元には、伊予絣であったりとか、道後飛鳥乃湯泉でも使っているギルディング和紙といったようないろんな素材があります。そういうものと帯を組み合わせると、帯そのものが作品になって、花園町通りを変えていけるような可能性を感じ、大変感銘を受けました。
あと、「どこでも茶室」は地元の高校生の皆さんがここで3分くらいで組み立ててくださって、それそのものがインスタレーションになっていました。若い方々が自分で手を動かして見せてくれたことで、この会場そのものがアートの作品になっていたようで非常に面白かったです。
優秀賞に選ばれた2チームには南雲さんと五十嵐さんからコメントがあったので私の方からは申しません。
ともかく今、我々は、地元の人たちと非常に長い時間かけて喧々諤々と時には喧嘩しながら進めてた道後温泉の飛鳥乃湯泉と花園町通りの空間ができて、でも、できた後、少し難しくなっていくんですよね。建築はできたら終わりじゃないということで皆さん参加してくださったと思うんですが、そこから先の絵図をみなさんと一緒に描いていきたい。ここにおられる非常に優秀な5チームの方々と、松山工業高校の方々の発表が得られて、おそらくここにおられる地元の方々がイマジネーションを刺激されるだけではなくて、自分で行動してみようというところまで刺激を受けたと思います。
みなさん、すごく忙しい仕事を抱える中で、夜とか集まってやってくださったということを推測しますが、そのことに本当に感謝します。
(※二次審査会でのコメント)

南雲勝志
みなさま、お疲れさまでした。
最初に、「移動する建築」ですが、私もどうなることかなと思っていたんですけど、今日はとても面白かったです。アイデアもそうだし、街の可能性、いろんなことができそうだな、という意味では。固定する建築は固定しているわけだし、道路でも、広場でも、どこでも、固定しているわけだけど、「移動する建築」っていうのは、固定しているものに対して自由に、何というかソフトの輪をかけているような話じゃないかなと思うんですね。今日の案はどれも実現性があるし、魅力的でもあるし、僕も思いつかないことがたくさんありました。松山っていうまちがより魅力的になっていく可能性をたくさん見せていただきました。本当に楽しかったです。
最優秀賞をとった「街の中の雲」は、今回コンペなので、このコンペで何を選んだかという意味では、イメージとして分かりやすいし伝わりやすい。そういう意味でも皆さん推してたというのもあるんですが。どうせなら、空振りはやめてほしいなと。ホームランしかないと思って、絶対に浮かすんだと思って、それが条件と思ってください。
あと、花園町通りの方は、本当にいろんなアイデア、いいアイデアがいっぱいあったわけですけど、コンペなので選ばなくてはいけない。それで「『まち』を旅する4つの屋台」を選んだわけです。一つにはどちらかというと完成したものよりは、未来の可能性、松山が持っている人の力とか、技術の力とか、市民の力とかを、完成した通りに足して魅力的に見せていく。そういう意味では、キムさんの作品は曖昧なだけに期待が持てるかなと。今後、地元からの要求だとかアイデアだとか、あるいは技術だとかを、一緒に足していくと、今日キムさんが自分でもモヤモヤしてたところが、より松山らしさみたいなところに繋がっていくんじゃないかという期待を込めて。キムさんが言っていましたが、徐々に変化しながら、高いレベルまで行ってくれるんじゃないかと思いました。
そういう意味で、今日出てくれた「どこでも茶室」の高校生たちや「MachiTube」の伊予匠ノ会の人たちは、むしろ作品というよりも、松山にとって非常に大事な技術を持っているので、ぜひ、コンペという次元ではなくて、松山の街を作っていく技術として参加してほしいし、このコンペをきっかけに、ぜひ積極的に街の方へ出てきてもらって、たくさんの松山でのものづくりだとかまちづくりにも参加してほしいなと思いました。高校生もね、お呼びがかかればすぐ来てくれると言っていましたので。
今回は、全体的に盛り上がった中で、分かりやすい2つが選ばれたんじゃないかなと思います。本当にご苦労様でした。ありがとうございます。
(※二次審査会でのコメント)

五十嵐太郎
みなさま、お疲れさまでした。
最初「移動する建築」ってどんなのが出てくるんだろうと僕もわくわくしながら一次審査しましたが、結構いろんなタイプが出てきました。その中から、屋台系のものだとか、浮く系のものだとか、いくつかタイプがあって、その中から、優れたものが最終プレゼンテーションしていただいたということになります。
「街の中の雲」は、早い時期から絵を発表して、多くの人が興味を示して、みんなの夢を膨らませながら実現に持っていく。参加の仕掛けもあるし、実際にできたらプロジェクションもできるし、色々な使い方ができると思います。一方で、長期的にやるとなると難しさがあると思うので、毎週末やるとか、運用の仕方をある程度作品にも合わせながら考えていただければと思います。今ちょうどアートイベントを盛り上げていくタイミングなのでそこにうまくインストールするような形で、ぜひ話題性を出していただければと思います。コンペならではというか、コンペでないとなかなかこういうのは出てこないし、そういう意味で非常にチャレンジングな案だったと思います。
で花園町通りの方。こちらは最後、「『まち』を旅する4つの屋台」と「タンカンバン・マルシェ」が結構競ったんですよ。「タンカンバン・マルシェ」はすごく風景を作ってて面白いと思いました。一方で、システムを作りすぎたところに、ちょっとでき過ぎてしまっているがゆえに想像力がなかったってことになったのかもしれないです。「『まち』を旅する4つの屋台」の方は明らかに過去の実績をみると、魅力的な屋台を作れるという期待値がある。ただ一方で、今日説明されたシステムは本当に稼働するかどうか難しいかなと個人的には思ったりもしました。なので人を選んだというところもあると思うんですね。これまでこれだけ魅力的な屋台をつくっているので、今回がっつりと松山の人たちと一緒に取り組むというところで伸び白がすごく見えて、ギリギリですけど勝ったというところだと思います。みなさん期待をしているので、ぜひそこを応えていただければと思います。
あと、「まちを包み、つなぎ、移り動く帯」は1メートル幅の帯で道路を寸断していく。実施していくところにもかなり問題があるんじゃないかという議論が後で出たりしました。また、あれが本当に美しくできるにはまだまだハードルがあったんじゃないかなというふうに思います。
あと、地元の「MachiTube」と「どこでも茶室」ですね。この2組は、技術というか技があってですね、本当に手を動かしてものを作るスキルを持っている。今回最終的には残っていないですが、ぜひ一緒にものを作っていくプロジェクトですから、これがいい機会なので一緒に参加して松山を盛り上げていくという形でこれから関係性を作っていくといいかなと思いました。
(※二次審査会でのコメント)

川口学(松山市都市整備部部長|市長代理)
どの作品も専門性があり、非常にレベルが高い提案でした。
今回は賞には選ばれませんでしたが「花園町」「飛鳥乃温泉」で一緒ににぎわい創出に参加してもらいたい提案も多くありました。
今回、応募された方全員に、ぜひとも、今後の松山市のまちづくりに参加していただきたい。

寺尾保仁
全国の人に関心を持ってもらっている事を感じました。
皆様の作品が全て実現できたらいいとも感じました。

泉谷昇
自由な発想を現実的な間で悩みました。
その中でも「楽しい」「見たい」と言う視点で選びました。
近い日に現れる時を楽しみにしています。

松波雄大
全ての案についてとても良い案ばかりで良かったです。
実現性の部分で問題あることもあったが!
あとは全ての企画において、これからのソフト面の重要性がある作る型の所から、ソフト面の利用者と会話して使ってほしい。

 

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