2022/8/27

【開催レポート】アーバンデザイン・スマートシティスクール準備会/ガイダンスをおこないました

 2022年8月23日(火) アーバンデザイン・スマートシティスクール松山2022 準備会/ガイダンスがZoomにて開催されました。

 今回は、スクール開講前の準備会/ガイダンスとして、羽藤英二UDCMセンター長から『地域デザインミュージアムをつくる』というテーマで講義がおこなわれました。まず、地域固有の歴史や資源が地域の価値を大きく変えようとしていること、その変化が新たな人の動きを生むことについて、「移動する建築」や「道後オンセナート」といった松山での取り組みをふまえて、お話しいただきました。その上で、外の空間をフィールドミュージアムに見立て、そこに新たな展示をすること、地域の歴史を掘り起こすことで、都市における新たな人の動きをつくっていくことを地域づくりの一環として目指すことに「地域デザインミュージアムをつくる」ことの目的があるとご説明いただきました。

 また、地域デザインミュージアムをつくる上で、地域にあるさまざまな風景に今までとは少し違った眼差しを向け、地域資源を見立てていくことが必要であるという考えを、実例や関連映画のご紹介を通して、お話しいただきました。お話の中で、「古典的で伝統的で日本的な風景だけがそのまま価値があるものとして受け入れられる時代は変わってきていて、ネットを通じて、そうした風景が世界中を駆け巡る中で、全く今までとは違う認識のされ方や違う価値の持ち方をしているということを私たちはもう少し素直に受け取るべきではないか」という言葉が印象に残りました。

 さらに、松山の郊外にある余戸や久米などの地域の形成について、旧村集落からの土地利用の変遷や長屋門という地域固有の建築様式をご紹介いただきながら、郊外の旧村集落から見出せる地域資源について、お話しいただきました。

 最後に、今年度スクールの活動グループとして、地域デザインの作り手へのインタビューなどから、地域素材の価値を掘り起こしていく「地域デザイングループ」と、そうしたデザインの下敷きとなるような地域の形成史を抽出し、歴史から地域デザインを見直す「歴史グループ」、そして、それらのデザインをめぐるためのモビリティを活用したプログラムを考え、評価する「モビリティグループ」の3つのグループについてご紹介いただき、スクール受講生とともに議論していきたいとしました。

 講義後、スクール受講生がそれぞれスクールで取り組んでみたいことや興味があるグループについて発表し、羽藤センター長と共に、今後の活動の方向性等を話し合いました。スクール受講生からは、道後やまちなかだけではなく、郊外の風景や自分と身近な日常風景の中にこそ地域資源があるということを知ることができたなどの声が上がり、松山に新しいまなざしを向けてみることによって、松山全体を使った地域デザインミュージアムをつくっていきたいという意気込みが語られました。

 今後は、スクール全体で議論を重ねていきながら、各グループでリサーチ等の活動を進めていくことになります。8月も終盤を迎え、少しずつ秋の予感を感じられるようになりました。季節の移り変わりを感じながら、皆で楽しく取り組んでいきましょう!(TA中出)

 ➤アーバンデザイン・スマートシティスクール2022 まとめページ