2021/12/9

【開催レポート】アーバンデザイン・スマートシティスクール活動プラン発表会をおこないました

 2021年12月3日(金)『活動プラン発表』 アーバンデザイン・スマートシティスクール発表会がZoomにて開催(YouTube同時配信)されました。

 今回の活動プラン発表会は、羽藤英二UDCMセンター長をはじめとする5名のコメンテーターをお招きし、各グループの活動プラン発表についてご講評いただきました。

 はじめに、松山駅グループは、フィールドワークで得られた松山駅の現状と他の駅前広場の事例を比較した上で、工事中のスペースにあるコンテナの装飾や人工芝を引いた休憩スペース設置等の試験的利用と手作りのランタンを用いた空間づくり企画の活動プランを発表しました。コメンテーターの松村暢彦先生(愛媛大学教授/UDCM副センター長)からは、手作りランタンを用いた空間づくりの際、待つことに繋げるために普段とは違う空間に誘うための仕立てをすると良いといった意見をいただきました。

 まちなかグループは、まちなかを歩くきっかけが少ない現状を踏まえて回遊性の向上を図ることを目的とした上で、謎解きの要素やタイムスリップによる歴史的感覚を組み合わせたスタンプラリー形式の活動プランを発表しました。コメンテーターの羽鳥剛史先生(愛媛大学准教授/UDCM副センター長)からは、昔の人の行動を調査・模倣するなど、タイムスリップ演出の仕掛けを凝ると良いといった意見をいただきました。

 花園グループは、地元の人々や笑顔、分かりやすさを起点としたコンセプトを設定した上で、ストリート展示による屋外空間の使い方の提案、はなぞのくじによる新たなアクティビティの誘発、こたつを通した屋外空間の過ごし方の提供を活動プランとして発表しました。コメンテーターの伊藤香織先生(東京理科大学教授/UDCMプロジェクトディレクター)からは、展示のバナーの人目に付く具体的なデザイン案やこたつ企画に訪れた人々の過ごし方の記録を行うと良いといった意見をいただきました。

 道後グループは、現在の道後の課題を整理した上で、上人坂に新たなにぎわいを生むことをコンセプトとして掲げ、歩きたくなる仕掛けと光源を入れた「いっぺん袋」の配布や捨莉紙の移動販売、休憩所の設置によって上人坂をはじめとする道後の夜に光と人のにぎわいで明るさを灯すという活動プランとその効果検証について発表しました。コメンテーターの伊藤香織先生からは、「いっぺん袋」の光を用いた仕掛けを工夫することによって特別な道後の夜の風景を演出できるといいといった意見をいただきました。

 モビリティグループは、まちなかの回遊性向上に向け、自動走行車両を活用した実証実験とシミュレーションによる人の移動や滞留、活動の変化の検証を行うことをコンセプトとして設定した上で、他グループが開催するイベントをめぐる車両運行とGPSアプリやアンケートによる効果検証することで自動走行車両を導入した将来の松山をシミュレーションによって再現することを活動プランとして発表しました。コメンテーターの大山雄己先生(芝浦工業大学准教授/UDCMプロジェクトディレクター)からは、自動走行車両の「使いやすい・目を引く」などの既存の交通サービスと異なる特徴から、車両導入によって現状の回遊性がどう変化するかについて考えるといいといった意見をいただきました。

 行動分析グループは、道後来訪者の回遊行動、行動に影響を与える要因、地区の現状と課題を明らかにし、その課題にアプローチするために分析を行うことをコンセプトとし、過去の道後来訪者のGPSとアンケートデータから行動を分析した結果を発表しました。また、道後来訪者のまちなかにおける行動分析を行うことや道後グループが主催するイベントと連携した人の滞留や回遊行動について解析することを今後の活動プランとしました。コメンテーターの大山雄己先生からは、他グループとの連携に向けて、観光マップなどの来訪者への情報提供と行動との関係性について考察するといいといった意見をいただきました。

 今後はコメンテーターの方々にいただいたご意見を参考にしながら、2022年1月14日から23日に開催予定の『urban design week.』でのプラン実施に向けて、各グループで準備を進めていきます。日ごとに寒さが増していき、こたつが恋しくなる季節となりました。年の瀬を迎え、何かと忙しい毎日ですが、たまには一息入れながら温かく過ごしましょう!(TA中出)

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